可愛い赤ちゃんに可愛い歯が生えてきた!!
親としても子供の成長を実感する嬉しい瞬間ですね。
でも、何かおかしい!?
と感じることはありませんか?
- 前歯の本数が足りない気がする・・・
- 何回数えても左右の数が合わない・・・
- 歯の形がどうも変だ・・・
それは癒合歯(ゆごうし)かもしれません。
実は私の娘も癒合歯なのです。
歯が生え始めてしばらくした頃、下の歯(前歯とその隣)が
ずっと3本のままでおかしいと思っていました。
まあ、そのうち生えてくるだろうと呑気に構えていたところ
1歳半の歯科検診で癒合歯と診察されました。
下の前歯が3本に見えていたのは、本来4本あるべきなのに
そのうちの2本がくっついて1本になっていたからでした。
癒合歯って一体何なの?
まずは基本的なことから説明していきます。
偉そうなことを書いていますが、私もつい先日まで全く無知でした。
よろしければ一緒の勉強していきましょう。
癒合歯の特徴とは?
癒合歯というのはもともと1本ずつで生えてくるはずの歯が
何らかの影響で隣の歯とくっついたまま生えてくる現象です。
特に赤ちゃんの頃の乳歯に発生する割合が
永久歯に発生する割合の10倍以上も多いのが特徴です。
乳歯は正常でも永久歯に生え変わる際に起こる癒合歯は
稀となっています。
そして奥歯よりも前歯の方がなりやすいといわれています。
赤ちゃんに生えてくる歯をよく観察していればたいていは
親御さんが発見することになるでしょう。
歯科検診で歯医者さんに癒合歯と診断されることもあります。
歯の結合状態によっては
「癒着歯」「融合歯」「双生歯」などとも呼ばれます。
癒合歯の原因とは?
これは実のところ、まだよく解明されていません。
母親の健康状態や持病、ウィルス感染、服用した薬や
ビタミンAの過剰摂取などが影響しているという説もあります。
ただ、確固たる証明があるわけでなく
癒合歯は至って健康な母体から生まれた赤ちゃんにも発生しています。
発生の時期は赤ちゃんがまだお母さんのお腹の中にいる時とされ
あごの骨や歯のもととなる細胞が作られる頃というのが一般論です。
さらに遺伝では?
と疑問を持たれる方がいるかもしれません。
もともと「あごの形」や「歯並び」は遺伝する場合があるといわれています。
これも100%ではないとしても、無いとは言い切れないと思います。
ちなみに私も妻も小さい頃に癒合歯だったとは聞いておりません。
私たちの両親(娘にとっては祖父母)も大丈夫だったそうです。
従ってうちの娘に関してはどうも遺伝ではなさそうです。
癒合歯の発生率はどれくらい?
癒合歯は永久歯よりも乳歯に多いことは上でも書きましたが
乳児全体からみる癒合歯の割合は1~5%といわれています。
つまり赤ちゃんが100人いればそのうちの1人~5人くらいは
何らかの形の癒合歯であるという統計が出ています。
保育園、幼稚園単位で考えたら何人かいても
おかしくないでしょう。
また、日本人の赤ちゃんは欧米人の赤ちゃんに比べて
発生率が高いという報告もあります。
癒合歯を放っておくとどうなるの?
まず考えられるのが通常の歯よりも
虫歯や歯肉炎になる可能性が高い
ということです。
これは歯と歯の間に歯垢(プラーク)や食べ物の残りが溜まりやすく
歯ブラシが届きにくいという点です。
歯磨きを念入りにすることの他に
歯医者さんでフッ素コーティングをしてもらうという対処法もあります。
それから、次に生えてくる永久歯に影響を及ぼす可能性もあります。
大きく分けて次の3通りが考えられます。
- ①永久歯も癒合歯になって生えてくる・・・約10%
- ②永久歯は普通に2本で生えてくる・・・約45%
- ③永久歯が1本しか生えてこない・・・約45%
これらのうち統計的に見ると①の事例は少なく
大半は②と③に分かれています。
②で生えてきてくれたら問題ないのですが
同じくらいの確率で③も考えられます。
これはくっついている癒合歯を1本と認識してしまい
その下から生えてくる永久歯も1本しか用意されていない場合です。
また、癒合歯は生え変わりの時期に歯の根元が溶けにくく
そのためなかなか抜けない可能性があります。
すると下から生えてくる永久歯の成長を邪魔してしまい
結果、歯並びが悪くなってしまいます。
あくまで余談になりますが、歯医者さんの中には
「最近の子は顎(あご)が小さいので歯が1本少ないくらいの方が
かえって歯並びが良くなるかもしれないよ」
と、主張される先生もおられます。
そう考えると、上の③で永久歯が1本しか生えてこなくても
それ程気にすることは無いのかもしれません。